犬のしつけ
しつけの基本について
しつけとは
犬にしつけをすることは、人と共生するために不可欠な飼育条件となります。飼い主が快適に犬と生活を送るためだけでなく、近隣に住む人たちや、散歩中に出会う人、犬やその他ぺットに迷惑をかけないために必要です。
まず、主なしつけに、家庭内のしつけとして、トイレを一定の場所でさせる「トイレのしつけ」、飼い主の不在中に犬に不安な行動をとらせない「留守番時のしつけ」などがあります。また、人や他の犬に対する振る舞いとして、「無駄吠え」、「噛み癖」、「飛びつき」などを防止するしつけがあります。 個体差がありますが、しつけは、長期的に根気よく短時間を繰り返し行いながら教える事を基本とします。また、怒らず、褒めて覚えさせることが重要です。また、しつけを行う手段として、犬の気質(学習能力、本能)を利用して命令・指示用語である「コマンド」を理解させてください。
しつけ用の一般的な「コマンド」には、「良し(good)」、「だめ(no)」、「止め(ストップ)」「待て(ステイ)」、「伏せ(ダウン)」などがあります。
子犬の場合は、家に慣れて落ち着いてから、少しずつしつけを行ってください。「トイレのしつけ」が生まれて最初のしつけになりますが、社会性を求める欲求が最も強くなる生後5~7週目の時期に開始するのが、比較的しつけるのに良い時期だと考えられていますので時期を考えながら行うと効率的ともいえます。
物を持ち帰るトレーニングは、短い時間でメリハリをつけて行いましょう。トレーニングの最後は成功してから終わらせると子犬に自信がつきます。また必ず飽きる前に終わらせましょう。うまくできたら、行動直後に必ず褒めましょう。おやつなどもうまく使いながら褒めると効果的です。
子犬のうちから徐々に慣らしていく歯周病を予防する歯磨きもしつけの一環です。犬が虫歯になるというのは非常に稀ですが、歯周病は口腔内の問題だけでなく、歯周炎の病巣から菌血症を起こし、心臓病、腎臓病、肝臓病、脳への影響も考えられ、歯磨きは、犬の健康を考えると非常に重要です。
しつけのポイント
しつけのポイントはいくつかありますが、基本的には犬特有の気質を利用することが重要となります。飼い主は、犬の学習能力と本能がどういうものかを理解しておくことが、上手にしつけをしていくためのポイントとなります。
(1) 犬の学習能力を利用する
犬にも体験によって新しい知識や技術を習得する学習能力があります。例えば、繰り返し褒められて、おやつがもらえると、犬はその時の行動に対して「うれしい」という感覚を覚えるようになります。逆に、嫌な思いや痛い思いをすると、それを覚えていて見ただけで逃げたり、抵抗したりします。この「うれしい」と「嫌」という感覚を上手に使い分けてしつけを行いましょう。
(2) 犬の本能を利用する
犬本来が持っているリーダーに従おうとする服従本能を利用します。犬は縦割り社会生活を営む性質を持っているので、リーダーに対して低姿勢に振る舞います。飼い主がリーダーになれば従属的なお利口犬となり、しつけを上手にすることができます。しつけの基本である、「止め」、「伏せ」、「待て」などはリーダーに従う意志の現れですので根気よく行ってください。
散歩時のしつけ
散歩時に他の犬や、猫、小動物を追わない、ケンカをさせないなどのしつけは、他の飼い主に迷惑をかけないしつけで、飼い主の義務でありマナーとして必要ですので必ず行ってください。場合によってはトラブルに巻き込まれたり、大切な愛犬を傷つけようとする人もいますので、自分と愛犬を守るためにやっておくべき事といえます。日常の習慣として信号待ちを覚えさせ、急な飛び出しをさせないしつけをすれば、交通事故などからも守ることにもなります。 その他、拾い食いをさせないしつけとして、例えば散歩時にあらかじめお気に入りのおもちゃなどをくわえさせながら歩かせることで、犬を食中毒などから守ることもできますので散歩時のしつけは極めて重要といえます。
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吠える、噛むに対するしつけ
「吠える」、「噛む」は犬の基本的な気質ですが、それがエスカレートすると、他人に迷惑をかけたり、飼い主を困らせたり、犬の健康トラブルになってしまう事があります。こうした問題行動が起きた時には、飼い主の方自身がその理由を探りながらひとつずつ解決していかなくてはいけません。人に迷惑をかける「吠え方」を一般的に「無駄吠え」といいます。その理由を愛犬の様子をしっかり見ながら、考えて対処しましょう。また「噛む」では、何でも噛む、かじる、手を出すと噛む、嫌なことをされると噛みつくなどの問題行為も「吠える」と同様に、その理由を考えて対処する必要があります。
無駄吠えについて
犬が「無駄吠え」をする理由は様々なことがあります。その原因によって対策は異なりますが、子犬のうちから様々な場所(公園、散歩道、イベント会場)で、人や犬に触れ合い、交流する機会を徐々に増やしながら社交性を身につけておくと良いと思われます。犬は社交性を身につけると、むやみに吠えなくなり、どこへ行っても慌てず行動できるようになります。また、愛犬に安心できる居場所を作って寂しい思いをさせないことも大切な防止策といえるでしょう。「無駄吠え」は環境の改善で防げる場合が多いです。それでも吠え続ける場合は、低くうなるような声で、威厳をもって「ダメ」と制止させます。これは群れの中のボスが威嚇して従わせる犬の服従本能を利用したものです。「無駄吠え」の主な原因と理由。
(1) 寂しくて吠える。
・家族がいない留守番の時
・長時間、家族から離れて庭に係留された時
(2) 怖くて吠える。
・ドアノックやインターフォーンに反応して
・知らない人を見た時
(3) 警戒心、威嚇で吠える。
・散歩中の犬を見た時
・通りすがりの人を見た時
縄張りを荒らされることへの警戒心と、恐ろしいものへの反射行動として犬は吠えます。
※異常に吠える時には、病気、怪我を訴えている場合もあります。必ず定期的に体と健康のチェックをしましょう。
噛む理由と対策について
「噛む」という行為の理由については、様々です。しっかりと愛犬が噛む原因を見極めて、人や物を傷つけないようにしつけをしていきましょう。
(1) 何でも噛む、かじる
生後3カ月頃、歯が抜け変わる時期は、歯がムズかゆく手当たり次第に噛んだり、かじったりします。1年くらい経つと落ち着いてきます。子犬がかじっても良い物(ペット用ガムなど)を与えてみましょう。誤って飲みこまないよう必ず目の前で与えます。 当店ではデンタル効果の高いおもちゃも取り扱っておりますので是非ご利用ください。
(2) 手を出すと噛む
子犬の頃に手などに甘え噛みをさせたままにしておくと、噛み癖となり家族や他人を傷つけることになりかねません。子犬のうちから噛まないようにしつけることが大切なのです。 犬の嫌がる苦味のものを、手に塗ったりします。それでも噛んできたら、犬の喉の奥まで手を入れて嫌がるようにします。「ダメ」と制止することが必要です。
(3) 歯磨き、爪きり、ブラッシング時に噛む
子犬のうちから根気よく少しずつ習慣づけていくとやりやすくなります。無理を強いると余計に噛みつくようになるので注意しましょう。
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トイレのしつけ
トイレの直前に行う行動について
個体差はありますが、犬は便意をもよおすと急に立ち止まったり、くんくん地面のにおいを嗅ぎながらくるくる回ったりします。犬の行動をよく観察してトイレがしたいかどうか確認しましょう。なお、トイレの時間は、寝起き、食後が目安です。
犬にトイレを理解させる
「トイレのしつけ」とは、トイレは、一定の場所ですること(トイレスペース)を教えることです。トイレの場所は人の出入りが少ない室内の静かな場所を選ぶようにしてください。時間帯や行動をまずは把握して、そろそろと思ったらトイレスペースに導きます。うまくトイレができたらしっかりと褒めてあげましょう。定めたトイレスペース以外に排泄した場合、そのままにしておくと、そこがトイレをする場所だと犬は誤って認識してしまうため、消臭剤などを使ってにおいが残らないように すぐに片付けてください。決して犬を叱ってはいけません。いきなり大きな声で叱ったり、間違って排泄した場所に鼻を近づけてしかると排泄行為自体が悪いことと認識し、隠れてするようになってしまうからです。特に、子犬の時はトイレの回数も多く、しつけるまで手間がかかりますが、犬の習性上、一度場所が決まればその場所にするようになります。このトレーニングは覚えるまで根気よく続けていくことが大切になります。
初めは広くトイレのスペースをとり徐々に小さくしていく方法をオススメします。 子犬自身の尿の臭いをシーツなど擦りつけておくとトイレスペースと認識しやすく失敗が少なくなりますので、わざと前のトイレシートを残しておくのも良いでしょう。
散歩時のマナー(自宅のトイレスペースを優先させる)
去勢していないオスの犬は特に頻繁にマーキングを繰り返し、散歩中、電柱におしっこをかけたりすることも多くあります。一匹がマーキングすれば他の犬も入れ替わり立ち替わりそこにおしっこをかけるようになったりして、近くの住人に迷惑がかかり不衛生なのでさせないようしつけておきましょう。それでも、おしっこをしてしまったら、ペットボトルの水を持参して流してください。多少なりとも、おしっこ自体を薄めて臭いを取ることができます。 ただし、散歩中のウンチの場合は我慢させられないので、できるならウンチする直前にトイレシーツやティッシュ、新聞紙等を敷いてその上にさせてあげましょう。排泄物は、片づけて家庭に必ず持ち帰りトイレに流すことはいうまでもありません。散歩時には、お散歩バッグを持参して中にはペットシーツやティッシュ、うんち袋とペットボトルのお水、おやつなどを携帯しておくことをオススメします。当店ではお散歩時に役立つグッズも多数取り扱っておりますので、是非ご利用してください。
留守番のしつけ
留守番中の犬の行動について
飼い主様が留守で不在の場合は、不安からの行動を起こす場合があります。
(1) 宅配業者などの知らない人に対して吠え続けたりする。
(2) あてつけのように室内のあちこちに排泄する。
(3) 家具を傷つけたりする。
このような事態になっても、留守番のしつけと事前準備を行えば、上手にお留守番ができるようになります。
留守番のしつけ
しっかりと留守番をさせるためのコツは、飼い主は「必ず帰ってくるのだ」と学習させることと、飼い主は「留守番」という強い意識をもたせないように、さりげなく振る舞うことが良いとされます。いきなり長時間留守にするのでなく、普段から留守になる時間を少しずつ日常化、徐々にひとりでいる時間を長くして行き慣らします。留守番に慣れるまでは、不安感を与えないよう、テレビをつけっぱなしにするのも一つの方法として良いでしょう。 また、夜遅くなる場合に部屋中が暗くなってしまう場合は、室内の電気をつけたまま出かけることも必要です。外出前には、いつもよりも長い時間の散歩をさせ、そこで一日の活力を発散させておきましょう。適度な運動により、犬は疲れて、おとなしく留守番をすることができることが多くなります。帰宅時は、犬に声を掛けずに無視するくらいに。「ただいま~!」と大げさに接することなく、さりげなく部屋に入るくらいでも良いです。
家具を守るために
サークル、ケージの中に入れておとなしくさせる方法があります。そのためには、犬にとってサークルやケージの中にいることが快適で好きな場所にしておくひと工夫が良いです。例えば、ケージの中でいつも犬に食事させたり、好きなおもちゃ、ソファーあるいはベッドなどを入れてあげると良いでしょう。留守番時に与えるおもちゃやソファーなどのアイテムは、ぜひ普段使うものと区別してみてください。特別な空間やおもちゃがあることで、犬は寂しさやストレスを軽減し、留守番が楽しい時間となります。水、トイレシーツは新しいものに取り替えてから出かけましょう。
※おもちゃによっては、飼い主がいない時には使えないものもあります(誤飲の恐れなど有)。必ず使用上の注意をよく読んでから愛犬に与えるように心がけしましょう。 当店で販売している商品も同様です。
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