犬の基礎知識と飼い方
小型犬について
小型犬とは
特に規定のようなものはございませんが、約4.5kgまでを超小型犬、約4.5kg~13.5kgまでを小型犬としています(一般社団法人日本ペット用品工業会2011年発行『ペット用品取扱士教本』)。ヨーキー、マルチーズ、トイプードル、チワワなどが一般的です。室内で飼育されるので、人と共有する生活部分が多く、「家族の一員とであること」が常に実感されるのが特徴です。
室内飼育のメリットと注意について
・ 目が届きやすい
小型犬は、散歩の時間を除けばそのほとんどが室内での生活なので、目が行きやすく、体調などの細かい管理が行いやすいです。
・ かまい過ぎに注意
かまい過ぎて密着度が高まると飼い主の後追いをしたり、留守にした際、不安から鳴き続ける「分離不安」に陥ることがあるので注意が必要です。
・ 子犬にとって危険な物だらけ
子犬時代とにかく何でも思ったものを口にしてしまうことがあります。かじられては困るような物、危険な物はとにかく片づけておきましょう。噛んで感電の恐れのある電気コードや火傷の危険のある電気器具、のどに刺さったり、詰まらしたりするような物には特に注意が必要です。
・ 独りだけの時間と場所の確保を
犬が独りで静かに過ごす時間と場所を必ず与えましょう。例えば、比較的人の行き来の少ない静かな一画にサークル、ケージ、ベッドあるいはソファーなどを設置する方法などがあるので実践してみてください。
小型犬のメリットと注意について
・ 小型犬でもしつけは必須
からだが小さいので、他人への危害は無いと思い込みがちですが、トイレなど一般的なしつけや人に迷惑をかけない訓練は絶対に必要です。
・ 運動不足には要注意
運動量不足により肥満になりやすいことに注意が必要です。室内で暮らす多くの犬は、運動不足になりやすく、エアコンで1年中一定の気温が維持されている部屋では体の熱が放射されにくいためカロリーの消費量が低下し、肥満につながります。
・ 一緒に移動しやすい小型犬
軽量な小型犬は、買い物や小旅行などおでかけが容易です。キャリーバッグやバスケットに使えばバスや電車に乗せて移動もできます。ホームセンターなど、ペット用バギーを使えば入店可能なお店も増えています。ただし、車内や公共の場所で吠えたり暴れたりしない犬であることが大前提となります。
小型犬の食事について
ドッグフードのパッケージに記載されている給餌量はあくまで目安です。それを指針に便の状態や体重の推移で加減してあげることが大切です。量を与えても痩せている場合は、カロリーの高いものを選びましょう。少量でも太る場合は低カロリー食を考慮することも場合によっては行ってください。 冬場は寒さでカロリー消費が高くなるので、屋外飼育や寒冷地では給餌量を増やしたり、高カロリー食に切り替えたりします。飼い主と接する機会が多く、食べ物を与えがちになるので注意しましょう。
小型犬の運動量について
小型犬は体が小さいため室内の自由運動、あるいは屋外や庭先で、朝夕各20~30分程度で十分です。ただし犬種によって運動量は増減します。例えばダックス、コーギーのような胴長短足犬種は背骨や腰に負担がかかるので高い所から飛び降りたり、飛んだり跳ねたりするような運動は避けてあげてください。 運動が足りている犬は、自宅でゆったり落ちついて過ごすことができます。他方、いつも落ちつかず、爪先を舐め続けるなど、悪いと知っていて好ましくない行動をとる場合は運動不足に原因がある可能性があります。その場合は運動量を増やしてみることを意識してあげてください。